井穴刺絡療法のやり方⑥どの井穴を刺絡するか その2 経絡・経筋

手のツボ合谷にせんねん灸

はじめに「井穴刺絡療法とは」をご覧ください。

手足の井穴図

痛む動作を指標にしてどの井穴を選ぶかは前の記事で紹介しましたが、複数の動作で同じところが痛む時は

痛いところを通る《経絡・経筋》から井穴を選びます。

どんな動作でも右肩前面が痛む

例えば腕を上げる・下げる・開く動作どれでも肩の前面が痛む時、

手の陽明大腸経図

手の示指から始まり、肩の前面を通って反対側の鼻の横まで走っている経絡「手の陽明大腸経」を治療対象として、H6を刺絡してみます。経筋とは経絡とほぼ同じものですが、大腸経が背中の肩甲間部にいっていたり、胃経が背中と腰の間ぐらいまでいっていたりと少し違います。詳しくは明治鍼灸大学の篠原昭二先生著「誰でもできる経筋治療」をご覧ください。

誰でもできる経筋治療 篠原昭二 医道の日本社

経筋治療では痛む経絡上の手足の指や甲(手首・足首なども)のツボ・反応点(圧痛点)に鍼や灸などの刺激を加えます。

大腸経の経筋治療ポイント

写真は手の陽明大腸経の井穴H6と経筋治療で反応点を探すだいたいのエリアです。

経筋治療検査
経筋治療検査
経筋治療検査

やり方は2つ

①まず井穴(この場合はH6)を刺絡してみて、肩の痛みに変化があったら手の陽明大腸経で合っているという事なので、その経絡(経筋)上の圧痛を探し、そこに鍼や灸をしてさらに変化があるかみる

②上の写真のように手の陽明大腸経の指から手首くらいまでいろいろ押して圧痛を探し、そこに鍼・灸をやってみて肩の痛みに変化があったら、最後に井穴(H6)を刺絡してみる

指や手足の甲・手首・足首の圧痛点は一つとは限らず複数ある場合が多いですが、その時は圧痛を探す動作を2,3回繰り返し、特に強い圧痛点1,2個に絞り込み、鍼・灸を施します。

経筋治療 圧痛点にパイオネックスイエロー

写真は指に圧痛があったので、そこに貼る鍼の「パイオネックスイエロー」を貼ってみたもの

シールを全部貼っていないのは、この状態で肩の痛みに変化がないか確かめた後、変化があったら白い紙をはがしてシールを全部くっつけて固定します。

経筋治療 圧痛点にせんねん灸

写真は手のツボ「合谷」あたりに圧痛があったので、そこに「せんねん灸レギュラー」をのせたもの

ヤケドしないようにあまり熱さを我慢しすぎないように注意しながら行います。せんねん灸はマツモトキヨシ・ツルハドラッグなどドラッグストアに売っています。

経筋治療の他の書籍

経別・経筋・奇経療法 入江正著 医道の日本社