井穴刺絡療法のやり方③血の出し方

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はじめに「井穴刺絡療法とは」をご覧ください。

手足の井穴図

来院前にネットで調べて、ご自分でやってみたことのある患者さんの感想で多いのが「血がなかなか出ませんでした」です。
そこで血を出す時のポイントを感覚で説明すると「ぶどうの皮を剥く感じ」です。

井穴刺絡療法 血の出し方
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①関節は曲げる方向で

②井穴の横の指は刺したところを広げるように

③井穴の下から突き上げるようにしてさらに広げる

F2から刺絡のやり方
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刺したところを下から突き上げつつ広げようとしているのが判りますでしょうか?実際に患者さんと一緒にやってみるとすぐ判っていただけるので、文章でお伝えしきれるか心配です。血が出にくい時にあまり間隔をおかず「ギュ・ギュ・ギュ」と立て続けに絞ろうとするとダメで、「出にくいな~」と思ったら一度手を離して血行が回復してから(白かった指に赤みが戻ったら)再び始めるのもいいです。

刺絡を「血を絞り出す」とイメージしてしまうとなかなか出せません。ポケットティッシュのミシン目を開く時のように、井穴を拡げる感じだと自然と出始めます。

初めてやる方にありがちなのが、井穴を塞ぐ方向に力を入れてしまうことです。

力んで指をつまんでしまうと井穴を拡げて血を出すのではなく、塞いで出にくくしてしまいがちです。

赤マジックで印をつけたのは左薬指のH5で、そこから血を出すやり方です。右手人差し指を左薬指の下に当てて

次に親指を当てて井穴を挟みます。

下に当てた人差し指を下から突き上げつつ、井穴を拡げるように皮膚を下方向に引っ張り、指の関節を曲げてさらに井穴を拡げていきます。

右H6を刺絡した動画です。ご自分で刺絡してみようという方は参考にしてください。↓

その他に私が行っているものは、刺す前に井穴を押して痛みが少ないようにする事です。ファインタッチはその構造上バネが「ビヨ~ン」と振動するせいで痛みを感じやすいようです。(私たち鍼灸師が使う専門の道具「ハイタッチ」はほとんど痛みを感じません。開発者の長谷川先生ありがとうございます)

刺絡前に井穴をマッサージ
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モールで縛った後消毒し、井穴とその周辺を少しマッサージしてから痛くない程度に強めに押し、押した指を離して2秒以内に刺しています。こうすると痛みが少ないように感じています。