井穴刺絡療法 番外編 刺絡以外の刺激方法① お灸

せんねん灸

はじめに「井穴刺絡療法とは」をご覧ください。

手足の井穴図

はじめに

井穴刺絡療法は手足の井穴から少量の血を絞り出して刺激する方法ですが、刺絡できない時に代わりとなる方法がいくつかあります。

その中で「手軽さ」と「効果の高さ」を兼ね備えた方法が、お灸による刺激方法です。

ドラッグストアやネットで手軽に手に入り、扱いもそれほど難しくないので、訓練を受けた鍼灸師以外の一般の方でも使えます。

井穴にせんねん灸

セネファ せんねん灸 伊吹 近江

せんねん灸はマツモトキヨシやツルハドラッグなどでも購入できます。だいたいレギュラーとハード(にんにく)の2種類置いてあり、価格は2つとも1,331円でした。レギュラーは80個入りなので1個あたり約17円、ハードは70個入りなので1個あたり約19円です。(マツモトキヨシで購入)

せんねん灸 種類

一番熱量が弱いソフトもたまに置いてあるのですが、あまりにもソフトすぎて何個やっても熱が感じられないことがあるので、私は使用することはありませんでした。初めはレギュラーからやってみて熱さを感じにくいようでしたらハード(にんにく)で、という進め方が良いと思います。

井穴にせんねん灸をする時の注意点

お灸をする際の注意点として穴の部分がしっかり塞がれていないと隙間から熱が逃げて何個もやっても熱さを感じないことがあります。

井穴とせんねん灸の間にすき間の画像
井穴とせんねん灸の間にすき間(イラスト)

こんな感じですき間が出来てしまった時は

経絡の流れは体を縦に走っているので

経絡の流れ 足の肝経例
井穴を経絡の流れに沿ってずらす

手前のほうにくっつけてお灸します。

「それじゃあ井穴からずれて効果無いのでは?」と疑問に思われる方もいると思いますが、井穴の大きさは5円玉の穴の大きさぐらいあるようなので、極端にズレなければ大丈夫。

井穴に長生灸(ちょうせいきゅう)

私はせんねん灸よりほんの少し穴が小さい「長生灸」を使っています。

長生灸とせんねん灸の穴の大きさの違い

右がせんねん灸、左が長生灸で穴の大きさの違いが判りますでしょうか?この大きさの違いが実際に井穴にくっつける時に違っていて、穴が塞がりやすい長生灸の方が個数が少なくすんでいるように感じます。

株式会社 山正 長生灸

ただし皮膚にくっつけるところの粘着力の強さはせんねん灸に軍配があがるので、お好みでどうぞ。(長生灸はドラッグストアでは取り扱っていないので、ネットで買うしかないようです)

煙のでないお灸(せんねん灸の奇跡)

せんねん灸の煙が出ないタイプです。ドラッグストアではなかなかお目にかかれないアイテムですが、家でお灸をする時、煙を気にせず出来るので大変便利です。

普通のせんねん灸レギュラーと煙が出ないタイプを同時に着火してみましたが、一目瞭然ですね。

2つのハードタイプを比べてもやはり全然違います。熱さもしっかりあって良いのですが、やはり煙の出ないタイプの方が値段は高いです。

Amazonで値段を見たところレギュラー220個入りが4,344円で1個あたり約20円、ハード220個入りが5,324円で1個あたり約24円でした。

井穴への灸点紙灸のやり方

もうひとつは灸点紙とモグサを使った方法です。

灸熱緩和紙 灸点紙200片入り
セネファ せんねん灸もぐさ

灸点紙とは、お灸をした時に皮膚に痕を残さないようするためのアイテムで、熱さも直接皮膚に据える時より緩和されます。

コルク板2枚とモグサ

コルクの板2枚にモグサを乗せて

コルク板2枚でモグサを成型

こすり合わせるように動かし

モグサ完成図

このような細長い形にして

灸点紙を用意

灸点紙を2枚重ねて

真ん中の穴に爪楊枝を刺して少し穴を拡げ

両端を切って

井穴に当てて

井穴に灸点紙灸の画像

先ほど細長くしたモグサを適当な長さで切り

井穴に灸点紙灸の画像
井穴に灸点紙灸の画像

こんな感じで刺激します。

この方法が良いのは熱量を自分で調整しやすい、値段が安く済む、などですが手軽さはないのでせんねん灸よりはお勧めしずらいです。

100円ショップDAISOにコルク製のコースター(2枚入り)が売っていました。使ってみたら大丈夫だったので試してみてください。

DAISO製コルク製コースター
DAISO製コルクコースター2枚入り

おすすめの道具購入先(神田 三景さん)

コルク板やお灸用線香・モグサなどを一般の方がやすく購入できる「神田 三景」をお勧めします。

神田の鍼灸道具店 三景ホームページ

リンクはこちらです。

井穴灸のコツ

せんねん灸でも灸点紙とモグサでも、「ほんのり暖かくなってきた」ではなく「熱いけど我慢できる」くらいまで刺激します。ただし最初はどのくらいでやれば良いかは判らないと思いますので、物足りない程度で始め、回数を重ねる度に熱くしていくことをお勧めします。

パイオネックス&灸点紙灸

お灸をする前にパイオネックスを貼り、上から指でトントンと刺激した後お灸をする方法もあります。これは深谷灸法を指導している福島哲也先生の方法を参考にしています。

福島先生は「施灸してなかなか灸熱が伝わらないと感じた時に、ツボに鍼を刺してから灸をやると熱が伝わりやすくなる」と話されていて、それを参考にしてなるべくお灸の時間を短縮出来るように始め、効果を実感しています。

福島哲也著 深谷灸法による病気別症候別灸治療 緑書房発行の画像

福島哲也先生著 深谷灸法による病気別症候別灸治療 緑書房発行(Amazonリンク)

Amazonで購入される方はこちらをどうぞ

マグレイン&線香灸

井穴にマグレインを貼り、その上から線香で熱を加える方法もあります。押圧刺激と熱刺激によって刺絡出来ない方のセルフケアとして便利です。

井穴にマグレイン

熱さを感じたら井穴から離し近づけては離す、を繰り返します。回数の目安はあまり無いので私は30回くらい繰り返してます。

この方法は佐藤久三先生の著書「病気をなおす 人体ツボの秘法」ナツメ社発行を参考にしています。

病気をなおす人体ツボ秘法 佐藤久三著 ナツメ社発行の画像

お灸でヤケドして痕が残らない?

いざ、お灸をするとなるとヤケドで痕が残らないか心配になるかもしれませんが、井穴周囲の皮膚は新陳代謝が活発なのか痕が残らずキレイです。

実験のため井穴に八分灸で痕をつけてみます。

井穴に八分(はちぶ)灸した後の画像

4日ほど経つと

示指は少し残っていますが、環指・小指はほぼ消えています。示指も1週間たたずに消えると思います。わたしは練習のために手足の井穴全てに八分灸やせんねん灸の強(にんにく)を何度もやっていますが、どの井穴もキレイなままです。安心して井穴にお灸をしてみてください。

もし水ぶくれが出来てしまったら

お灸で水ぶくれが出来てしまったら「うるおい治療(湿潤治療)」がおススメ。

水ぶくれを破って取り除き、ハイドロコロイド被覆材でおおっておけば、ほどなく治るようです。

百円ショップダイソーに売っているハイドロコロイドを私自身のキズの治療に使っています。(お灸で水ぶくれすることは無いので)

「キズパワーパッド」はドラッグストアなどで簡単に手に入って便利なのですが、厚みがあるので色んな所にひっかかって剥がれやすいように感じてます。

治りが悪い時や腫れて痛みが出る時は医療機関に早めに受診を。

電子灸

電子温灸器 バンシンプロ画像
電子温灸器 バンシンプロでの井穴への刺激画像

写真は「バンシンプロ」という電気で熱刺激を与えるアイテム。サイズも井穴に会う大きさで、煙が出ないので壁が汚れる事も服に臭いが付く事もないので便利です。電子灸はこの他にもいくつかあるので色々試して紹介できれば、と思ってます。

電子温灸器 バンシンプロ

お灸以外の血を出さない刺激方法は↓

井穴にパイオネックス

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