井穴刺絡療法のやり方④血の量・回数など

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はじめに「井穴刺絡療法とは」をご覧ください。

手足の井穴図

井穴刺絡療法における井穴刺絡の目的は、「脳に命令を送る」事です。

ほかの刺絡の流派では汚血(古くなって汚れた血)が不調の原因で、それを取り除くことによって健康体になる、という解釈でやっているところもあるのですが、浅見先生は病気・不調を神経(自律神経・体性神経)の異常という西洋医学の解釈で研究されていました。
ですので、来院前にご自分でやってみた患者さんから「ドロドロした血が出てこなくなったら良いのですか?」など聞かれるのですが、血液の性状に関しては井穴刺絡療法では関係ありません。

井穴刺絡療法 1回の血の量

「脳に命令を送る」ためにいくつか注意すべき点があります。
①1回にゴマ粒3個ぐらいの出血量(上の写真くらい)それを消毒綿で拭く

②①を30回行う

③血がだらだら出て結果たくさん出ればいいのではなく、1回1回しっかり絞って出すが基本です。

私が稲舛先生に教わったのは、井戸の水を汲む例えでした。

脳に命令を送る例 井戸の水汲み
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水の所まで桶が届かないと、何回上げ下ろししても目的に達しない。1回につきゴマ粒3個分くらいの量の血を出さないと脳に命令が届かない。それを30回やるのはそれくらいやれば、身体に変化がでるという経験上のもので、場合によっては10回、20回で変化することもあります。ただし、ゴマ粒3個分は守った方が確実です。

1回の施術でゴマ粒3個分×30回ですが、症状によっては1週間に1回では効果が薄い場合があります。これも稲舛先生の例えで「犬にお手を覚えさせるときに1週間に1回教えるより、1週間毎日教えた方が覚える」です。脳に命令を送るのも、1週間毎日やったほうが1回より効果的であるので、井穴刺絡療法を実践している鍼灸師の中には、患者さんが1週間毎日来院しなくていいように患者さん自身で出来るようにやり方を教えている人もいます。(「自分でやってみたい」という方には私もお教えしてます。簡単ですのでご安心を)